関西圏から兵庫県北部・但馬エリアへ向かう手段として、
実は飛行機が最もシンプルで快適だということは、あまり知られていない。
日本エアコミューター便に搭乗した際の様子を、
実際に撮影した写真とともに振り返っていく。
伊丹空港では搭乗橋ではなく、
タラップを使って直接機体へと向かうスタイル。
間近で見るプロペラ機は想像以上にコンパクトで、
地方路線らしい親密さがある。

エンジン、主翼、機体の質感までを間近に感じながら搭乗するこの瞬間は、
「移動」ではなく旅が始まる合図のように思えた。
日本エアコミューター(JAC)とは
今回搭乗したのは、**日本エアコミューター(JAC)**が運航する便。
JACはJALグループの地域航空会社で、
鹿児島を拠点に、離島や地方都市を結ぶ路線を数多く担っている。
伊丹―但馬線のように、
**「需要は大きくないが、なくてはならない距離」**を
日常の移動圏内に収めているのが、JACの役割だ。
伊丹空港―但馬空港便のユニークさ
この路線がユニークなのは、
大都市圏の主要空港同士を結ぶ路線ではないという点にある。
伊丹空港は関西有数のハブ空港でありながら、
その一方の目的地は、滑走路1本の地方空港・但馬空港。
この組み合わせ自体が、国内線としては非常に珍しい。
さらに特徴的なのは、
- フライト時間はわずか約35分
- 使用機材はプロペラ機
- 観光・ビジネス・生活路線が混在
という点だ。
鉄道では山を大きく迂回する必要があるこの区間を、
直線的に、空から一気に結ぶ。
その結果、移動時間だけでなく、心理的な距離まで短く感じられる。
座席に着くと、窓のすぐ外にはプロペラ。
ジェット機とは違い、飛行機が飛んでいることを視覚的にも強く感じられる。

短距離路線らしく、機内サービスは最小限だが、
さりげなく配られるJACオリジナルキャンディが印象に残る。

プロペラが回り始め、機体が動き出すと、
「これから30分ほどの、濃い空の旅が始まる」という実感が湧いてくる。
離陸後、高度を上げると景色は一変する。
眼下に広がるのは、雪に覆われた山々と谷が連なる但馬の風景。
大阪の都市景観から、
ここまで劇的に景色が切り替わるのは、
この路線ならではの体験だ。

到着した但馬空港は、
雪に包まれた、静かでコンパクトな地方空港。
都市と地方を結ぶこの路線は、
「移動のための便」であると同時に、
地域と都市をつなぐインフラそのものだと感じた。

まとめ|この路線自体が、すでに旅の一部
伊丹空港から但馬空港へのフライトは、
単なる移動手段ではなく、路線そのものが体験価値を持つ。
- 大都市空港×地方空港という組み合わせ
- 短距離をプロペラ機で結ぶ非日常感
- 山岳地帯を越えるダイナミックな景色
そして、それを支える日本エアコミューターの存在。
但馬を訪れるなら、
ぜひ一度、このユニークな空路から旅を始めてみてほしい。

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