人工衛星の軌道の種類について超分かりやすく解説!

宇宙

こんにちは。宇宙の旅人Xです。

今回は、人工衛星の軌道の種類について、図を使いながら超分かりやすく解説していきます。

実は、人工衛星の軌道は、使用したい目的によって打ち上げられる高度が違います。

それらが理解できるように、イラストを用いて解説しています。

参考にしながら、文章を読むことでより理解することができると思います。

 

人工衛星とは

人工衛星

人工衛星とは、通信や地球観測を行なうために、人々の手によって作られた人工物が宇宙に打ち上げられ、地球の周りを移動する機械のことをです。

詳しくは、人工衛星の基本についての記事をご覧ください。

 

人工衛星の軌道の種類

人工衛星は、使用したい目的によって打ち上げられる高度が違います。

人工衛星の軌道は、「高度」「周期」「軌道傾斜角」の要素で成り立っています。

高度」とは、地表から宇宙にある人工衛星までどのくらいの高さがあるかを表しています。

周期」とは、軌道を1周する時間を表しています。

軌道傾斜角」とは、人工衛星の軌道面と赤道面の角度のことを言います。

軌道傾斜度が0度の場合、常に赤道上空を飛行していることになります。

軌道傾斜角が90度の場合、地球の南北方向を周回する「極軌道」になります。

軌道傾斜角

モルニヤ軌道

軌道傾斜角が63.4度で、周期が地球の自転周期の半分である楕円軌道のことです。

国全体が高緯度に位置する旧ソ連(現ロシア)で用いられる軌道です。

モルニヤ軌道

低軌道(Low Earth Orbit:LEO)

低軌道(LEO)

JAXAは、高度2,000km以下の地球周回軌道を低軌道と呼んでいます。(ESA(欧州宇宙機構)は、1000㎞以下を低軌道と位置付けでいる。)

比較的地球に近い高度なので、地表の様子を詳しく観察することができます。

さらに、特定の場所を飛ぶ必要はなく、低軌道(LEO)の範囲で様々な地点に移動ができます。

この低軌道(LEO)には、高度400㎞にある国際宇宙ステーション(ISS)や高度547㎞にあるハッブル宇宙望遠鏡が存在しています。

ハッブル宇宙望遠鏡については↓の記事をご覧ください。

 

 

中軌道(Medium Earth Orbit:MEO)

中軌道(MEO)

中軌道(MEO)とは、高度2,000kmから地球同期軌道(約36,000km)までの地球周回軌道のことを指します。

低軌道(LEO)と同様、特定の場所を飛ぶ必要はなく、中軌道(MEO)の範囲で様々な地点に移動ができます。

通常、この高度では様々な種類のGPS衛星が多く飛ばされています。

例えば、飛行機を追跡できるGPS衛星や地図アプリに使用されている24基のGPS衛星があります。

 

静止軌道(Geostationary Earth Orbit:GEO)

静止軌道(GEO)

静止軌道(GEO)とは、赤道から高度35,786㎞の軌道のことを指します。

地球の自転と同じスピード、同じ方向(西から東)へ23時間56分4秒かけて移動しています。

なので、地球から見ると静止軌道上にある衛星は、止まって見えます
これが、「静止衛星」と呼ばれている理由です。

静止軌道(GEO)は、通信衛星や放送衛星、気象観測など、私たちの暮らしに身近な衛星が存在するの軌道となっています。

 

高軌道(High Earth Orbit:HEO)

 

高軌道(HEO)は、地球同期軌道(約36,000km)より外の地球周回軌道のことを指します。

 

太陽同期軌道(Polar orbit and Sun-synchronous orbit :SSO)

太陽同期軌道(SSO)

太陽同期軌道(SSO)は、地球の高度600~800㎞北から南に移動する人工衛星の軌道(極軌道の一種)を指します。

つまり、低軌道(LEO)に区分されます。

太陽同期軌道を飛行している人工衛星は、地球上のある地点を常に同じ時間に観測しています。

つまり、数日後、数瞬間後、数ヶ月後と、その地点の変化を観察することができるのです。

静止トランスファー軌道(Geostationary Transfer Orbit:GTO)

静止トランスファー軌道(GTO)とは、高度約36000㎞の静止軌道(GEO)に通信衛星や放送衛星などを打ち上げる際に使われる楕円形の軌道です。

具体的には、近地点(楕円形の地球から近い位置)が低軌道にあり、遠地点(楕円形の地球から遠い位置)が静止軌道上にある楕円軌道のことを指します。

静止トランスファー軌道(GTO)

上の図を使って説明します。

人工衛星をのせたロケットは、①のピンクの線の軌道を通って打ち上げられます。

次に、②の地点でロケットから人工衛星が分離されます。
分離された人工衛星は、オレンジ色の軌道を通り、③の地点へ向かいます。

③の高度35,786㎞の地点につくと、黄色の円軌道に人工衛星が配備されます。

 

まとめ

人工衛星の軌道の種類には様々なものがあります。

人工衛星の使用目的によって使われる軌道が違うことが分かったと思います。

 

参考文献

Types of orbits
Our understanding of orbits dates back to Johannes Kepler in the 17th century. Europe now operates a family of rockets at Europe’s Spaceport to launch satellite...

コメント

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  2. […] […]

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