NASAは有人火星探査に向けて、何をしているのか?

宇宙

こんにちは。宇宙の旅人Xです。

今回は、NASAは有人火星探査に向けて、何をしているのか?について解説していきます。

前回、人類の火星移住は難しいことを解説しました。

では、それらの課題を乗り越え、有人火星探査を実行するためにNASAやその他の宇宙機関、民間企業が何をしているかについて解説しました。

有人火星探査の大前提

火星に行った宇宙飛行士は必ず生きて地球に戻ってくる

これは、NASAが掲げる有人探査の大前提です。

それは火星探査にも言え、片道切符ではなく、生きて地球に戻ってくることを意味しています。

そのためにNASAや各国の宇宙国際機関や民間企業が行っていることは何かを解説します。

地球から火星までの航海への準備

月

NASAは有人火星探査を行う事前準備として、有人月面探査を行うことを決定しています。

そのプログラムの名前は「アルテミス計画」です。

このアルテミス計画で、地球外居住地の建設や宇宙飛行士の体にどんな変化が起きるのかを確認したり、ロケットのエネルギーとしても使われる水の探査を行います。

アルテミス計画についてはこちらの記事をご覧ください。

NASAは、宇宙飛行士が安全に活動し、命を落とすことのないよう万全の準備を整えています。

有人月面探査や有人火星探査で人の体が宇宙でどのような反応をするかを調査するために「ゲートウェイ」という月周回人工衛星(国際宇宙ステーションのようなもの)を建設する予定です。

このゲートウェイで宇宙飛行士が生活することにより、宇宙空間での体の変化を詳細に調べ、有人火星探査に役立てるということを目指しています。

この「アルテミス計画」を通して、ロケットや宇宙船の開発、放射線がどのように人体に影響を与えるのかなどを調査し、有人火星探査に備えるのです。

有人月面探査やその先の有人火星探査につながる方法についてはこちらの記事をご覧ください。

 

火星での生活

酸素を作る

NASAはMOXIE( humans explore Mars by making OXygen. It works “In situ” (in place) on the Red Planet, and is an Experiment.)という装置を使って、火星の二酸化炭素酸素に変える実験をしようとしています。

これは、2020年に打ち上げられた火星ローバーにこの装置が積まれています。

火星の大気の大気に占める酸素の量はわずか0.13%しかありません。これでは人が活動することはできません。

しかし、酸素を地球から火星に運ぶとなると、より大きく強力なエンジンを持ったロケットが必要となります。

すると、より莫大な金額を必要とするため、予算を圧迫してしまうことになります。

NASAなどの国の宇宙機関は国民の税金を使って宇宙開発などを行っています。なので、予算を急激に増やすこたは難しいのです。

ですが、酸素を火星現地で作成することができれば、予算を大きく抑えることができます。

また、この酸素は、宇宙飛行士が安全に活動し無事に地球に帰還することに役立ちます。

この実験が有人火星探査の鍵を握っていると言っても良いでしょう。

しかし、宇宙飛行士が活動することになった場合、車のバッテリーくらいの大きさであるMOXIEよりも100倍大きな装置が必要だと言われています。

有人火星探査のハードルが高いことがわかります。

放射線対策

宇宙飛行士

火星は、地球の100分の1程度の大気しかありません。

そのため紫外線宇宙放射線の危険に晒されています。

それらから宇宙飛行士を守るために高性能な宇宙服が求められています。

宇宙服は、酸素の供給や気温調節、有害な放射線から宇宙飛行士を保護する役目があります。

また、火星の放射線量がどのくらいなのかを計測しています。具体的には火星ローバーを使っており、火星の大気がどれくらい放射線を遮っているのかなどを計測しています。

火星居住地

火星で生活することになった場合、一息つける家が必要となります。

また、放射線や気温から宇宙飛行士を守るために、居住地が役立てられます。

NASAは、3Dプリンターを活用し、居住地を作ることができないか模索しています。

事実、 3D-Printed Habitat Challengeというコンペティション(大会)を開催し、アイデアを募集していました。(優勝チームには賞金があるようです)

今後、より具体的な構想が出てくることを期待しましょう。

水の発見

水

水は宇宙飛行士が生活するためでなくロケットのエンジンとしても活用することができます。

これは、地球から水を持っていくよりもコストを抑えることができます。

火星の水についてはこちらの記事で詳しく説明しています。

食料

人が生きていくためには、食べ物を食べることなどにより栄養を摂取する必要があります。

しかし、火星には食料がありません。

方法として考えられるのは、地球から火星に食べ物を持っていくか火星で栽培する方法があげられます。

問題として、食料を運搬するとなると非常に多くの量を持っていかなければならなくなります。すると、ロケットを巨大にするか数回に打ち上げることとなり費用が掛かります。

また、火星で栽培するとしても、成功する保証はどこにもありません。

そこで、月面で食料栽培などの実験をし、データを集めることを計画していることや、火星探査機による水資源などの情報を集めています。

いずれにしても、高い壁が存在していることが分かります。

通信

通信施設 アンテナ

火星の宇宙飛行士との円滑なコミュニケーションも不可欠となります。

現在は、The NASA Deep Space Network (DSN)という深宇宙探査のための国際通信機関が火星ローバーなどとコミュニケーションを行っています。

地球から火星への往復通信の遅延は、6分から44分と言われています。

しかし、宇宙飛行士が活動するとなるとより高速で遅延の少ない通信を行うことが求められます。

この分野では光通信衛星の研究が進められています。

火星探査機を送る

Artist's Concept of Mars Exploration Rover

火星ローバー「キュリオシティ」 (画像:出展 NASA)

NASAは火星探査機を火星に送り、水資源や地形、気温などのデータを集めています。

これにより、火星の詳細な情報が分かり、火星移住のためには何が課題なのか?何が必要なのかを考えることができます。

例えば、火星ローバー「キュリオシティ」は、火星の大地に水が流れた痕跡を発見しました。

さらに、火星に降り注ぐ放射線量を計測しています。これにより、火星探査で宇宙飛行士にどれくらいの放射線を浴びることになるのかがわかり、リスク回避につながります。

さらに、2021年2月18日、NASAが新たに「パーサヴィアランスローバー」を火星に着陸させました!

そのローバーから、美しく壮大な火星の景色が送られてきました!

詳しくはこちらの記事をご覧ください!

 

火星から地球に帰るには?

火星から地球に帰ることも当然考えなければいけません。

そのためには、火星の重力を向け出す推進力(エネルギー)を持ったロケットもしくは宇宙船(ランダー)が必要です。

この点に関しては、まだ情報が少ないですが、今後アップデートされると思います。

その際に、また書きたいと思います。

まとめ

NASAやその他の宇宙機関、民間企業は、着々と有人火星探査の準備を進めているのです。

今回記事にした有人火星探査に向けて行っていることはまだまだあると思います。

随時更新していきたいと思います。

参考資料

Perseverance Science Instruments - NASA Science
Cameras Tech Specs Main job To take high-definition video, panoramic color, and 3D images of the Martian surface and fea...
Page Not Found - NASA
Curiosity Rover Science - NASA Science
Landing at Gale Crater, Mars Science Laboratory is assessing whether Mars ever had an environment capable of supporting ...

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