こんにちは。宇宙の旅人Xです。
今回は、月に水は存在しているのか?について解説していきたいと思います。
人類は月を探査し、月には水が存在しているのではないかと突き止めました。
この記事を読む事で、月の水がどこに存在しているか?どうやって水を探したのか?その水を何に使おうとしているのか?を理解することができます!
月に水は存在しているか?
結論から言うと、月に水は「存在している」確率が非常に高いと言われています。
つまり、まだ水そのものを見たわけではなく、水の存在を示すデータが得られているといった段階です。
どう言うことかを説明すると、「月の北極と南極で氷が確認された」「月に隕石があたる衝撃で放出される水を検出した」といった段階だということです。
さらに、2020年10月26日には、「太陽の光が直接当たる場所でも水の存在を示すデータを得ることができた」とNASA から発表がありました!
その量は、サハラ砂漠の1/100くらいだと言われています。
月の北極と南極で氷が確認された
はじめに「月の北極と南極で氷が確認された」ことについて詳しく解説していきます。
2018年8月21日のNASA公式ホームページの発表によると、『月の南極では、ほとんどの氷が月のクレーターに集まっている。また、北極の氷はより広範囲に、まばらに存在している』¹とあります。
(下の画像から、氷の分布が分かります。左側の画像が南極。右側の画像が北極。)
(画像 出典:NASA)
この氷が確認された場所は、クレーターの影に存在し、太陽の光が届かず、華氏ー250度(約−121.1℃)以下の地点です。
つまり、太陽の光によって、溶けて水になり蒸発することがなく、はるか昔から氷として存在していたのではないかと考えられ。ています。
月に隕石があたる衝撃で放出される水を検出した
次に、「月に隕石があたる衝撃で放出される水を検出した」ということについて詳しく解説していきます。
2019年4月16日のNASA公式ホームページの発表によると、月に衝突する隕石によって、水となる物質が運ばれてきたのだと報告しています²。
そして、実際にNASAの探査機LADEE( Lunar Atmosphere and Dust Environment Explorer)という、月の大気塵を観測する探査機によって水が放出されていることを確認しました。
この探査機LADEE( Lunar Atmosphere and Dust Environment Explorer)は、月の薄い大気の構造と塵が大気中に舞っているか分析するミッションでした。
このミッションの時に、水が検出されたのです。
より詳しく知りたい方は、NASAの公式youtubeのリンクを貼っておくのでご覧ください。
https://www.youtube.com/watch?time_continue=22&v=wZxUyH7vuRk&feature=emb_title
太陽の光が直接当たる場所でも水の存在を示すデータを得ることができた
「太陽の光が直接当たる場所でも水の存在を示すデータを得ることができた」について詳しく解説します。
これは、地球から月を眺めた時に確認できるクレーター「Clavius Crater」で見つかりました。
この「Clavius Crater」は、月の南に存在するクレーターです。
2020年10月26日の段階では、H2O(水)かOH(水酸基)のどちらかを判別することはできていません。
仮に水だとすると、1㎥あたりに12オンス(約355ml)程度だそうです。
これは、サハラ砂漠の1/100程度しかありません。
月の水がどこからやって来たのか?
この答えは、まだありません。
仮説としては、隕石によって運ばれてきたのではないかとされています。
もう一つの説は、太陽風から運ばれてきた水素が月に存在する酸素を含んだ有鉱物と化学反応を引き起こすことにより、水分子ができるのではないかと考えられています。
月の水をどうやって発見したのか?
月の水があるだろうとされる証拠は、月を周回する探査機から発見されました。
月を周回する探査機のことをLRO(Lunar Reconnaissance Orbiter)と言います。
そして、その探査機には、月の放射線を調べる装置や月探査中性子検出器(Lunar Exploration Neutron Detector) と言う水素の存在を確かめる機器などが搭載されています。
具体例を挙げると、インド宇宙研究機関が2008年に打ち上げたChandrayaan-1 があります。この探査機には、NASAのMoon Mineralogy Mapper(M3)機器が搭載され、2009年に水を発見しました。
より詳しく知りたい方は、NASAの公式youtubeのリンクを貼っておくのでご覧ください。
https://www.youtube.com/watch?v=qYW4rTrAA5I&feature=emb_rel_end
また、地球からも水の存在を示すデータを発見することができました。
それは、私たちも一度は乗ったことがあるであろう飛行機からです!
具体的には、改良されたBoeing 747SPです。
NASA’s Stratospheric Observatory for Infrared Astronomy (SOFIA)、日本語では、成層圏赤外線天文台と言われています。
月の水を何に使うのか?
月の水は、何に使うのかを詳しく解説していきたいと思います。
ロケットの燃料
ロケット(宇宙船)を打ち上げるために、水を使うことが考えられています。
水を使うことで、ロケットを月面から打ち上げられるようになります。
理由を説明していきます。
ロケットは、燃料と酸化剤を使って打ち上げることができます。
水は、水素分子と酸素分子が組み合わさってできており、電気分解を行うことによって、「水素ガス」と「酸素ガス」ができます。
中学生の時に行った「水の電気分解の実験を思い出してください。水を電気分解することで酸素と水素が出来ることを学習したはずです。
これらを冷やして低温にし、液体にすることでロケットの打ち上げ時に必要な酸化剤ができるのです。
気体を冷やして液体になるのは、中学校の理科で習った物質の状態変化で説明できます。
この酸化剤と燃料を使い、月からでもロケットが打ち上げられるということです。
ロケットの仕組みについてはこちら

また、月で水を得ることによって、地球から水を送るよりもコストを抑えられると考えられています。
民間企業の台頭でロケットの価格が下がったと言っても、まだまだコストはかかります。
なので、月で水を調達することができれば、コストを抑えることができるというわけです。
人が住む月面基地
将来的には、人類が月面で生活をすることが予定されています。
人が生活するとなると、飲み物や食料は不可欠となります。
月にある水を直接飲むことはできないと思いますが、ろ過装置などを活用し、現地で水を調達できるようになるのではないかと考えられます。
他にも月の水を使う用途があるかと思いますが、不明瞭なのでここまでにしておきます。
まとめ
まとめると、
・月には、水が存在している確率が非常に高いことが発見されている。
・月の南極と北極に水が集中的に存在している確率が高い。
・現在、月の水は、探査機によって探している。
・月の水は、ロケットの燃料や人が滞在した時に使われる可能性が高い。
と、なります。
有人月面探査計画「アルテミス計画」も着実に進んでいます。
是非、「アルテミス計画」に関する記事も読んでみてください。
また、月はサビていることも判明しています。
参考文献
¹ https://www.nasa.gov/feature/ames/ice-confirmed-at-the-moon-s-poles
² https://www.nasa.gov/press-release/goddard/2019/ladee-lunar-water
NASA’s SOFIA Discovers Water on Sunlit Surface of MoonNASA’s Stratospheric Observatory for Infrared Astronomy (SOFIA) has confirmed, for the first time, water on the sunlit surface of the Moon.
コメント
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