こんにちは。宇宙の旅人Xです。
今回は、人類が再び月へ降り立つというNASAの壮大な計画「アルテミス計画」について解説していきます。
実は、人類が月に行くのはアポロ計画以来で、全世界から注目を集めています。
この記事では、アルテミス計画がどんなものなのか、詳しく理解できるように解説しています。
アルテミス計画とは?
アルテミス計画とは、一言で言うと「有人月面探査」です。
2024年までに人類初の女性宇宙飛行士とアポロ計画で月に人類が降り立って以来の男性宇宙飛行士を月に着陸させ、革新的なテクノロジーを使用し、これまで以上に月面を探査することを目的としています。
具体的には、月の南極付近に降り立ち、月に存在するといわれる水資源(月の地下にあるとされる氷)や月面居住地の建設、そして無重力空間で人間の体がどのように変化するか?など、様々なデータを収集します。
そして、月とその周辺で得られた知見を活かし、次の大きな目標である火星に宇宙飛行士を送ることを目指しています。
月の水についてはこちらの記事をご覧ください。
バイデン政権下でも、この計画を継続しておこなっていくことが明言され、今後の進捗にも注目です。
なぜ「アルテミス」と呼ばれるのか?
1969年7月20日。NASAは歴史上初めて、人類を月面に送ることに成功しました。
これは、1961年に、ジョンF.ケネディ大統領が、1961年から10年間の間に宇宙飛行士を月に着陸させるようにNASAに要求したことが始まりです。
そして、この宇宙飛行士を月面に着陸させる一連の計画を「アポロ計画」といいます。
アポロ計画は、ギリシャ神話の神「アポロ」にちなんで名付けられました。
そして、アルテミス計画の「アルテミス」は、アポロの双子の妹であり、ギリシャ神話の月の女神である「アルテミス」から名付けられたのです。
アルテミス計画のスケジュールは?
アルテミス計画は、いつ、どんな目標でスケジュールされているのか?
アルテミス計画は、3つの段階に区別されています。
1つ目のミッションは2020年、2つ目は2022年、3つ目は2024年を計画しています。
「アルテミスⅠ」では、人類の深宇宙探査の基盤となる無人飛行試験であり、月とそれ以遠(火星など)に人類の存在を拡大するNASAの取り組みと能力を実証することを目指しています。
NASAは2020年にこの計画を実行することを目指しています。
「アルテミスⅡ」では、 Orion を搭載したSLSロケットを有人で打ち上げることを計画しています。2022年の打ち上げを予定しています。
このミッションでは、宇宙飛行士が月面に降り立つことは予定されていません。
「アルテミスⅢ」では、宇宙飛行士を月に着陸させ、その後約1年1度、月に着陸させる計画を立てています。この計画を、2024年までに達成すると予定されています。
この3段階のミッションを通し、ロボットや宇宙空間での人類の活動能力、宇宙資源発掘などを解明していくことを目標としています。
そして、それらの月で得られた知見を利用し、次の大きなミッションである有人火星探査に向けて準備をするのです。
アルテミス計画の4つの目的(ミッション)
アルテミス計画は、4つの目的(ミッション)が発表されています。
①Demonstrate new technologies, capabilities, and business approaches needed for future exploration including Mars
②Establish American leadership and a strategic presence on the Moon while expanding our U.S. global economic impact
③Broaden our commercial and international partnerships
④Inspire a new generation and encourage careers in STEM
参考文献
Artemis - NASA
日本語に訳すとこう書いています。
①火星を含む将来の探査に必要な新しいテクノロジー、機能、およびビジネスアプローチを実証する
②米国のグローバル経済への影響を拡大しながら、アメリカのリーダーシップと月面での戦略的存在感を確立する
③商業的および国際的パートナーシップを拡大する
④新しい世代を刺激し、STEMでのキャリアを奨励する
①について考察すると、有人月面探査だけでなく、それ以遠の火星に向けての目的があることが分かります。そして、宇宙で実証されたテクノロジーを地球での活動にも役立てようとしていることも見受けられます。
例えば、医療機器です。手術で使われるロボットアームの開発に宇宙開発で培われた技術が貢献しているという事例もあります¹。
②について考察すると、宇宙開発という領域において、世界でのプレゼンス(存在感)を示そうということがうかがえます。月面探査や火星探査で世界を主導し、存在感をアピールする狙いがあるのだろうと考えられます。
1960年代の冷戦時代にも、アメリカとソ連(現ロシア)は、国の威厳をかけて月探索に取り組んでいました。
③を考察すると、宇宙開発によって創出されるアメリカ国内企業の労働を通し、経済力を高める効果も期待していることが分かります。また、アメリカのみではこの壮大な計画を実施することは困難なので、世界の宇宙機関と技術を有した民間企業と共にミッションを達成していくことが重要だということも分かります。
また、政治面でも各国が国際協力することで、友好関係を築いていけるという側面もあるのだと考えられます。
④を考察すると、次世代に宇宙開発への夢やモチベーションを与えることを目標としていることが分かります。そして、STEM(s=サイエンス、T=テクノロジー、E=エンジニアリング、M=数学)領域での人材育成に役立つことも目標の1つとして取り組んでいることも分かります。
そして、「宇宙ってすごいな」「いつか私も/僕も宇宙開発に携わりたい!」と、子供たちに夢を与えることを目標にしているのです。
アルテミス計画で宇宙飛行士は月で何をするのか?
「アルテミスⅢ」の段階で、初めて宇宙飛行士が月の南極に着陸します。
そこで宇宙飛行士は次のことを行います。
- 月の水を探し、そしてその水を使用する。
- 月の謎を解明する
- 宇宙飛行士が地球からわずか3日間の場所にある「月」に住むこと、そして活動する方法を学ぶ。
- 宇宙飛行士を火星に送る前に、必要な技術をテストする。これらのことを前提とし、宇宙飛行士が活動するのです。
月へ行く具体的な方法はこちらから見れます。
まとめ
アルテミス計画の概要やその目的について解説や考察をしてきました。
アポロ計画以来の有人月面探査ということで、世界各国が注目するでしょう。
そして、世界の人々を感動の渦に巻き込み、次世代の人材にも宇宙開発を目指し、そして継承していって欲しいですね。
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参考文献
¹ https://www.nasa.gov/pdf/363454main_medical_flyer.pdf2
Artemis - NASAArtemis - NASA
コメント
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